九月の土曜日、誰にも見えない折れた翼の持ち主である十四歳の『ぼく』は「自分は死体だ」といい放つ少女ディーと出遭い、彼女には翼が感じられること、またこの世に残された霊さえ感じ取れることを知る。別れ際、ぼくが次に会う約束を願うと「奇跡にしようよ!」とディーがそれを封じる。やがて最初の奇跡が起こり、二回目の奇跡が起こ...
知らなかったんだ。人を愛すると言う事がこんなに切ないなんて… 知らなかったんだ。運命というだけでは、どうにも出来ないこともある、と言う事を。 Ωの要は運命の番として結ばれた両親に憧れ、自分も運命の出会いをと、両親が出会った高校へ願掛けの様に入学した。そこで出会った初めての恋。 果たしてこの恋は運命の恋なのか...
自身を精神的死体状態から救ってくれた恋人の死から約十年、呼び名をカヲルと変え、細々とキーボード弾き語りの音楽活動をしていた彼女をセミプロだが天才ドラマーのタオが拾う。タオの音に惚れ込んだベーシストのムラサメとともに、やがてロックバンドSDPを結成。バンドメンバーを初め、大勢の人々に助けられながら、カヲルの表情に...
わたしは弟の凪(なぎ)が好き。その感覚はとっても微妙。だからわたしは自分でもちょっとヤバイんじゃないかと思うときがある。もちろん凪さえしっかりしていれば何も起こるはずがない。そう信じている。それに凪には彩音という可愛い彼女がいるし……。
健(たける)と日向(ひなた)は幼馴染。双子のような関係だ。相手の心さえ読めてしまう。第二次性徴期に健が日向に恋をする。けれども日向は恋をしない。それで関係が崩れてしまう。元には戻れないほどに変わってしまう。健はドンファンのような青年に育ち、日向は男遊びを繰り返す。が、やがて健はその生活を捨て、自分を一途に好いて...
ある夏の日に出逢った、妖怪の青年と人間の少女。 その出逢いが二人の世界を変える。 一人ぼっちだった青年と、独りぼっちだった少女。 惹かれ合う二人なのだが、二人を引き離す見えない壁。 “会いたい、触れたい、会いたい、触れたい” それでも...
「バレンタインの告白」 それは、男女それぞれに大事な『想い』があって――。 この幼馴染の二人には、『それだけじゃない想い』もあって。 --- --- 三題噺として2時間で書きあげました。 お題:「バレンタイン」「さかさま(若しくは逆とか)」「主張」
小谷圭輔、高校二年生。成績中の上、顔普通、運動は少し苦手だが性格は優しい。 そんな彼には秘密があり、中学三年生の許嫁がいる。 名前は飯塚紗綾。子供の頃から仲が良く、紗綾とはよく一緒に遊んでいたので、女子の扱いに慣れている。 だから、彼は校内の女子達にもてる。 そして、中条美咲、市原晴美、京本明美の校内トッ...